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2009/09/14 未払給与 [税金の話]

時事通信が次の記事を配信していました

7月の工場稼働率3.9%上昇=自動車生産が増加-経産省 経済産業省が14日発表した鉱工業生産指数確報によると、生産量と生産能力から算出した製造工業稼働率指数(2005=100、季節調整済み)は、前月比3.9%上昇の77.2だった。内外向け自動車の生産増加を背景に鉄鋼や輸送機械、電子部品・デバイスで工場稼働率が高まったためで、上昇は5カ月連続。 

エコカーに対する補助金で対象車が売れているので、自動車業界は確かに一息ついているかも知れません。 一方で7月の失業率は5.7%で過去最悪等というニュースも流れています。 株価も行ったり来たりで気迷い相場です。

こんな状況では中小企業の資金繰りも決して改善しているとは言い切れないでしょう。 春先の資金繰りが厳しかったときに、泣く泣く給与の切り下げを従業員に納得してもらったのに、思ったように景気が回復してこなくて、やむを得ず給料が未払になってしまうなんて事態も起こりかねません。

年末調整の時期が近づいてきていますが、今年の最後の給料支払いまでに未払が解消されないと所得税はどうなるのでしょうか

結論から言えば、未払の給与も含めたところで給与の総額が計算されます。 所得税法36条に

その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額とする。
とあります。 給与所得には別段の定めはありませんから、この規定によると支払を受けていない部分も含めて給与所得の収入金額が計算されて、それに対応する所得税が計算されるということになります。

実際にはもらっていない分も含めて所得税が計算されるのは納得行かない気がしますが、雇い主と従業員との間には給与を巡る債務/債権の関係が生じていて、従業員にとっては未払の金額が収入すべき金額となるのです。

年末調整では、未払の給与と未払の所得税があっても、合計の給与の額と所得税額を記載します。 未払となっている給与と所得税は内書として記載します。 雇い主にとっては内書部分が従業員と国に対する債務という訳です。

未払の所得税があっても直接従業員に請求されることはないので心配ないのですが、住宅ローン税額控除などの適用を受けようとしても、未払の所得税部分については雇い主が給与を支払い、それに伴って所得税を納付するまで還付されません。

どうしても給与を払ってくれないときは、諸機関に訴えるということになるのでしょうが、最終的に雇い主が破産などをして、給料が支払われないことが確定すると、更正の請求をして支払われなかった給与は無かったものとして所得税の再計算をしてもらうことになります。

こんなことになってしまうと時間もお金も掛かってしまうので大変なのですね。  景気が一日も早く回復するよう民主党政権に頑張ってもらいましょう。


給与の未払については住民税の問題もありますし、役員給与の未払には又別の問題もありますが、これらについては別の機会にご紹介することにします。



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