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2011-10-27 消費税95%ルールへの対応 [税金の話]

平成23年度税制改正は国会での審議が進まなかったため、法案を二つに分けて審議されることになり、その内の一つは6月30日に施行されました。

色々先送りされたのに、いわゆる95%ルールは改正されましたので、該当する事業者は対応策を予め検討しておく必要があります。

これまで、課税売上割合が95%以上であれば、仕入等に係る消費税額を全額控除することが出来ました。 今回の改正で当該課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者は適用されないこととなりましたので、次の2点に留意しなければなりません。

一つは、課税仕入れ等の区分の問題です。

仕入控除税額の計算を個別対応方式または一括比例配分方式のいずれかで行うことになりますが、個別対応法式で行う場合には仕入控除税額=課税売上げのみに要する課税仕入れ等の税額+課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等の税額×課税売上割合という計算になります。

この場合、これまで課税仕入れかどうかだけ判定していれば良かったのですが、課税売上割合が100%でない限り三つに区分するという作業が必要になってきます。 つまり、課税売上げのみに要する課税仕入れ等、非課税売上げのみに要する課税仕入れ等または課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等の三つに区分することになります。

「課税売上げのみ」と「共通して要する」との区分判定がなかなか面倒です。 5億円もの課税売上げがあると、一般的には経理担当者がいて処理をしているのでしょうが、この区分を正しく理解してもらうのは大変です。 税務署と揉めたくなければ共通して要する課税仕入れ等の範囲を広く取る結果、仕入控除税額が少なくなって税負担が増えることになります。

また、区分の事務負担を考えると一括比例配分方式の課税仕入れ等に係る税額の合計額×課税売上割合という計算方式をとることも考えられます。

一般的に言えば、個別対応方式の方が一括比例配分方式より有利と言われていますが、各々の事業者はどうするのか決めなければなりません。

もう一つは課税売上割合の問題です。

これまでは、95%のラインだけに気をつけていれば良かったのですが、これからはどちらの方式を採用するにしても、課税売上割合を正しく計算しておかないと、間違った申告になってなってしまいます。 消費税の点からみると、本当は課税売上または非課税売上としなければいけないものを、費用のマイナス計上しているものを見かけます。

代表的な例は従業員に貸し付けている社宅の賃料や寮費を地代家賃などのマイナス処理するというものです。 こんなところも点検しなければなりません。

経理システムが個別対応方式に対応していない場合もあります。 いろいろ準備しなければいけないことがありますから、そろそろ対応策を決める時期になっていると言えます。




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